食物繊維と聞くと、健康に欠かせないものというイメージがありますよね。
ではなぜ食物繊維が健康に必要なのか、考えたことがありますか?
食物繊維は食べた後、体の中でどのような働きをしているのでしょうか?
ここでは、食物繊維の中でも近年とくに健康効果やダイエット効果に注目が集まっている水溶性食物繊維について、多く含まれる食物や効果の秘密を見ていきたいと思います。
目次
水溶性食物繊維とは?
健康にいいと言われる食物繊維ですが、英語ではdietary fiberと呼ばれています。
つまり名前の通り繊維(fiber)なのです。
繊維というと葉物野菜などしっかりと形のあるものを想像する人が多いかもしれませんが、食物繊維は野菜や果物に含まれるものだけでなく、海藻類に含まれるものや微生物が作り出す動物性のものなど、さまざまな種類があります。
そんなさまざまな種類のある食物繊維ですが、大きく分けると水に溶ける水溶性のものと、水に溶けにくい不溶性のものに分けられ、それぞれ機能が異なります。
中でも近年健康や美容の効果があるととくに注目が集まっているのが、水に溶けやすい水溶性食物繊維です。
では水溶性食物繊維とは一体何なのでしょうか?
不溶性食物繊維との違いに注目しながら見ていきましょう。
水溶性と不溶性の食物繊維の違い
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、その名の通り水に溶けやすいものか、溶けにくいものかという違いがあります。
一般的に食物繊維が多く含まれていると言われる場合、不溶性の食物繊維を示していることが多いようです。
不溶性の食物繊維は、穀類・野菜・豆類に多く含まれています。
ざらざら・ボソボソとした触感が特徴です。
それに対して水溶性の食物繊維は海藻類や、果物にも多く含まれています。
ヌルヌルや粘り気のある触感が特徴です。
食物繊維を摂ると体では何が起こる?
食物繊維は、摂取しても体で消化・吸収することができません。
そのためほとんどが摂取しても吸収されずに体内を通過し、そのままの状態で排出されます。
一昔前までは、食物繊維は吸収されないため体には必要ないものだと思われてきました。
では吸収されないにもかかわらず、食物繊維が「第六の栄養素」と呼ばれるほど、体にいいと言われるのはなぜなのでしょうか?
食べたものは、まず胃に入り、その後小腸へと移動していきます。
その際に食物繊維が多く含まれていれば、食べたものが消化酵素に直接触れにくくなり、消化吸収がゆっくりと行われるようになります。
とくに小腸では、水溶性の食物繊維が効果的に吸収を抑える働きをすることが分かっており、水溶性の食物繊維があることでコレステロールやブドウ糖の吸収を抑える効果が期待できます。
更に水溶性食物繊維があることで、食べたものがゼリー状になって胃腸内をゆっくりと移動するため、腹持ちがよくなるという特徴もあります。
食物繊維は直接体には吸収されませんが、大腸に存在する腸内細菌のエサとなります。
そして腸内細菌が食物繊維を分解する際、乳酸や酢酸などの酸がつくられるため、大腸内が酸性となります。
善玉菌とよばれる乳酸菌やビフィズス菌は、酸性の環境を好むため、食物繊維があることで腸内フローラを善玉菌寄りに維持することができるのです。
また食物繊維のもっとも知られている効果としては便通を良くするということではないでしょうか?
便通に関しては、不溶性の食物繊維が便の量を増すことで、排便を促す効果が期待できます。
それに対して水溶性の食物繊維は、便を柔らかくしてスムーズに排便するのに役立ちます。
食物繊維の摂取量
では食物繊維は1日当たりどれくらい摂取すればいいのでしょうか?
推奨される日本人の食物繊維の摂取量は、成人男性で20g、成人女性で18g以上です。
それに対して実際の摂取量は、たとえば30代で男性が13g前後、女性が12g前後と言われています。
30代に限らず、どの年代においても食物繊維は不足している傾向にあるのです。
また不溶性の食物繊維は、食物繊維として認識されており、野菜など意識して食べる人が多いですが、水溶性の食物繊維はあまり注目されずとくに不足していると言われています。
その上食生活の欧米化などが指摘される現代、日本人の食物繊維の摂取量は年々減少しているとも言われているのです。
食物繊維は多く摂っても問題ない
多くの栄養素の場合、過剰に摂取することで他の栄養素の吸収を阻害するなど、逆効果がでるものもあります。
ですが食物繊維の場合には、目標値より多く摂っても過剰症などの健康弊害はないと言われています。
そのため毎日の生活の中で、多くの食物繊維を摂るように心がけましょう。
ただし水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも摂るようにすることが大切です。
とくに子供や老人など、腹筋が弱く排便の力が十分でない場合には、不溶性食物繊維だけを摂取し水溶性食物繊維が不足した場合、便が硬くなって排便しにくくなってしまう可能性があるので注意しましょう。
・食品ではなくサプリメントや健康食品を利用して食物繊維を摂取する場合、摂取量や体質によってはお腹が緩くなることがあります。
それによりミネラルなどの栄養素の吸収が妨げられることもあるため、サプリメントなどを活用する際には注意が必要です。
昨日1日食べたものを思い浮かべてみてください。
次は、食物繊維の多く含まれる食べ物を見ていくので、該当のものを十分に食べているか考えながら見ていってくださいね。
食物繊維が多く含まれる食べ物
ではどのような食べ物に多くの食物繊維が含まれているのでしょうか?
またそれぞれの食べ物にはどれくらいの食物繊維が含まれているのでしょうか?
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、それぞれに関して見ていきましょう。
水溶性食物繊維が多く含まれる食べ物
水溶性食物繊維は、とくに熟した果物・海藻類・イモ類・凝固剤不使用のこんにゃくなどに多く含まれています。
食品100g当たりの水溶性食物繊維の含有量が多いものと、その含有量の例を挙げてみましょう。
・エシャロット 9.1g
・納豆 2.3g
・アボカド 1.7g
・オクラ 1.6g
・モロヘイヤ 1.3g
・さつまいも 1.0g
・うずら豆 1.3g
・ごぼう 2.7g
・なめたけ 1.1g
・きんかん 2.3g
・芽きゃべつ 1.4g
不溶性食物繊維が多く含まれる食べ物
不溶性食物繊維は、熟していない果物・穀物・野菜類・きのこ類・豆類などに多く含まれています。
野菜類やきのこ類は、不溶性食物繊維だけではなく、水溶性食物繊維も含まれているものが多くあります。
・いんげん豆 11.8g
・よもぎ 6.9g
・こしあん 6.5g
・おから 11.1g
・モロヘイヤ 4.6g
・エリンギ 4.0g
・納豆 4.4g
・ラズベリー 4.0g
・えだまめ 4.1g
・麦みそ 5.6g
・しそ 6.5g
大切なのは一食でどれだけの食物繊維を摂れるのか
100gあたりの食物繊維の含有量を見てきましたが、大切なのは効率的に食物繊維を摂取できるかという点です。
たとえばフルーツであれば、100gや200g摂取するのは比較的簡単かもしれません。
直接おかずになる納豆なども、食物繊維の摂取には有効な食材と言えるでしょう。
ですがいくら含有量が多いと言っても、味噌やシソの葉などの調味料は一度に宅さ食べるものではありません。
効率よく食物繊維を摂取するために、有効な食材について自分の食生活と照らし合わせて考えることが大切です。
サプリメントで摂取するという方法も
食物繊維が不足していると感じたら、サプリメントなどの健康食品で摂取することも可能です。
ですが飲みすぎることでお腹が緩くなったり、それにより他の栄養素の吸収を妨げてしまったりする可能性もあります。
サプリメントを補助的に活用するのもいいですが、体調を見ながら摂取するようにしましょう。
食べ物一覧を見ていると、なんとなく多く含まれている食品がイメージできるのではないでしょうか?
評価 | |
---|---|
ポイント1 | 他のみどりむし製品と比較して、1個あたりの価格が安い。 |
ポイント2 | 食後に2~3粒飲むと、おなかの調子が整う。 |
ポイント3 | 便秘に悩む方は、就寝前に飲むのもお勧め。 |
評価 | |
---|---|
ポイント1 | 余分なものを全部出す! |
ポイント2 | 本当に必要なものを補給! |
ポイント3 | ムリなくカンタン!この成分がしっかりサポート! |
評価 | |
---|---|
ポイント1 | 乳酸菌サプリと違い、乳酸菌そのものではなく、厳選されたエリート乳酸菌・ビフィズス菌が発酵して生み出し たエキス(短鎖脂肪酸・必須アミノ酸、遊離アミノ酸など)が配合されています。 |
ポイント2 | NHKスペシャルでも話題となった短鎖脂肪酸(乳酸、酢酸、酪酸、吉草酸など)が主成分! |
ポイント3 | 乳酸菌を共棲培養して生成させた短鎖脂肪酸が主成分なので 体内にしっかり吸収されます。自分にもともと棲んでいる善玉菌を守り増やします。 |
食物繊維が健康に不可欠なのはなぜ?
先ほども出てきた過剰摂取による下痢以外に、食物繊維は過剰に摂取しても体に吸収されることはないので、とくに健康に問題はないとされています。
ですが逆に食物繊維が不足すると、体にとってさまざまな弊害があるのです。
食物繊維が不足すると腸内環境が悪化してしまいます。
腸内環境は健康に深く関係しており、腸内環境が悪化することで糖尿病や生活習慣病のリスクが高まると考えられています。
また腸内環境が悪化し便秘になることで痔や大腸がんのリスクも高まるのです。
食物繊維を摂ることで得られる健康効果
食物繊維は不足すると体に悪影響を及ぼすだけでなく、反対に十分に摂取することでたくさんの健康効果を得ることができます。
ここでは、食物繊維をたっぷりと摂取した場合の主な7つの効果をご紹介します。
コレステロールを抑制する
食物繊維は摂取しても体内では消化・吸収されずにそのまま腸まで排出されます。
その際に、コレステロールや胆汁酸を吸着して一緒に排出してくれるため、LDLコレステロールを下げる効果があります。
とくにコレステロールを下げる効果に関しては、水溶性食物繊維が効果的です。
排便をスムーズにする
水溶性食物繊維は、水分を含んでゼリー状になるため便を柔らかくする効果があります。
不溶性食物繊維は便のカサを増し、大腸を刺激することで排便を促す効果があります。
排便に関しては、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく摂取することで、より高い効果が望めます。
血圧を下げる
水溶性の食物繊維には体内のナトリウムを包み込んで一緒に排出する作用があります。
この作用により、血圧を下げる効果が期待できます。
腸内フローラを整える
食物繊維は腸内細菌の餌になることが知られています。
この場合の食物繊維とは水溶性食物繊維で、腸内細菌によって分解されることで腸内を酸性にします。
善玉菌は酸性を好むため、善玉菌が優勢の腸内フローラになるのです。
がんのリスクを低下させる
水溶性食物繊維により腸内環境を整えることで、悪玉菌による有害物質の発生を妨げることができます。
また便通が整うことで、有害物質を体外にスムーズに排出することができ、大腸がんのリスクを低下させることに繋がります。
糖尿病を予防する
水溶性の食物繊維には糖の吸収を穏やかにすることで、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。
その結果インシュリンの分泌を抑え、糖尿病の予防につながります。
ダイエット効果がある
食物繊維は食感がしっかりしたものが多いため、よく噛んで食べることに繋がります。
低カロリーな上、食べた時の満足感も高く、カロリーの摂取を抑えることができます。
さらに水溶性食物繊維はゼリー状になりカサが増すため、腹持ちがいいという特徴があります。
これらの食物繊維のさまざまな特徴により、ダイエット効果が期待できます。
不十分だと感じる人は、効果的に摂取するために、朝食に食物繊維を多く含んだスムージーを取り入れるのもオススメです、
食物繊維は美容にも関係している!
食物繊維は健康だけでなく美容にも大きくかかわっています。
先ほども出てきたように、食物繊維を摂ることで食べ物の吸収が緩やかになり、また腹持ちもいいためダイエット効果が期待できます。
何より、美容と大きく関係しているのは、食物繊維が便秘を解消してくれるという点です。
では食物繊維を摂取して便秘を解消することで、どのような美容効果あるのでしょうか?
新陳代謝がよくなる
便秘を解消することで腸内の循環が良くなり、毒素をすみやかに、かつきっちりと排出することができます。
それにより、毒素によって阻害されていた新陳代謝が活発に行われるようになります。
新陳代謝がよくなることで、血行も良くなり体温の上昇や免疫力の向上などの効果があります。
冷えは美容の大敵です。
冷えが解消され体温が上がり血行が良くなると、血色がよくなり肌がワントーン明るくなるだけでなく、細胞の隅々にまでしっかりと栄養素が行きわたり、健康的な肌に導くのです。
美肌効果
新陳代謝が活発になることで、肌のターンオーバーが正常に行われるようになります。
ターンオーバーが正常に行われることで、古い角質が排出され、クスミのない透明感のある肌になります。
頭皮環境を良くする
体にたまった毒素は頭皮から排出されるとも言われています。
便秘を解消して毒素がスムーズに排出されることで、頭皮から毒素が排出されなくなり頭皮の環境が良くなります。
便秘が続き体に毒素が溜まると、頭皮から皮脂が過剰に分泌され、頭皮環境が悪化することで抜け毛や薄毛になることもあるので注意が必要です。
ホルモンバランスを整える
便秘は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を妨げてしまいます。
エストロゲンが不足すると、生理周期が乱れるなど体にさまざまな悪影響があります。
将来的には骨粗しょう症や更年期障害に繋がったり、肌荒れや抜け毛になったりします。
便秘を解消することはエストロゲンの分泌を正常に戻す効果があります。
もし便秘に悩んでいるなら、しっかりと計画的に食物繊維を摂取した方がいいかもしれません。便秘の解消は長期的に見ても、健康や美容に大きな影響を及ぼすのです。
まとめ
・食物繊維には、水溶性のものと不溶性のものがあり、この両方をバランスよく摂取することが大切!
今までは不溶性の食物繊維に注目が集まり、たとえばレタスなどの葉物野菜だけを食べていれば食物繊維が摂れているイメージでした。
ですが今回注目した水溶性食物繊維もとても重要な役割を担っているのです。
まずはどの食品にどれだけ食物繊維が含まれているのかを意識してみましょう。
そして継続的に毎日の食事に取り入れることが大切です。
もちろん、食物繊維だけでなく、栄養バランスの取れた食生活を心がけることで、健康で美しい体を目指しましょう。
毎日の食事に取り入れるには、ふりかけ感覚で食べやすいとろろ昆布がオススメです。
また美肌のためにはビタミン類なども一緒に摂取することが望ましいので、ビタミンを多く含み生のままでも食べやすいフルーツがオススメ食材です。他にも毎日の食生活に組み込みやすい食材を考えて、効率的に摂取できるようにしたいですね。