今回は、円形脱毛症の代表的な治療法である、ステロイドの注射療法と塗り薬の有効性について迫っていく事にします。
こんにちは!一条隼人です。
ステロイド注射療法とステロイド外用薬(塗り薬)はどっちが円形脱毛症に効果的なのでしょうか?
ステロイドと言えば副作用も気になりますので、詳しく調べてみました!
円形脱毛症にはステロイドが効くって聞いたことがありましたが、注射で行う治療法と塗り薬があるんですね。
僕もどっちが効くのか興味があります。ぜひ教えてください。
(モン太さんは白髪と薄毛を気にしている50代のサルさんです。過去に円形脱毛症になっているので再発を心配しています。)
了解です。まずはステロイドの特徴について勉強していきましょう。
ステロイドとは何?
ステロイドとは、腎臓の上端にある副腎から作られるホルモンの一種で、身体の中の炎症を抑制したり免疫力を抑制するという作用があります。
このために、腎臓病・膠原病・心膜炎・心筋炎・クローン病・急性肝炎・若年性低音突発難聴など、様々な疾患の治療に使用されており、円形脱毛症もそのうちの一つです。
なお、ステロイドによる治療には注射・塗り薬・内服・吸入薬などいくつかの種類があり、症状によって適切な治療法は違います。
円形脱毛症の場合は、注射と塗り薬の2種類が用いられています。
ちなみに、2017年に日本皮膚科学会が発表した診療ガイドラインによると、注射療法は単発型及び多発型の成人症例に対して・外用療法は単発型から融合傾向のない多発型に対して行うよう薦めるという意味のB(行うように勧める)に分類しています。
※関連記事 円形脱毛症の原因と推奨される治療法!日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年度版を解説
ステロイドってホルモンの一種なんですね。初めて知りました。
そうなんですよ!意外と知らずに利用している方も多いと思います。
ここからはそれぞれの治療法の効果を紹介していきますね。
ハイ。
ステロイド注射療法の効果
円形脱毛症に対してステロイド注射が効果を発揮する理由は、抗免疫作用により毛根部を攻撃しているリンパ球の働きを抑え、抗炎症作用により攻撃を受けた部分の炎症を鎮めるからです。
これらの効果で脱毛が抑制されるので、円形脱毛症の症状の進行を防ぐ事が出来ます。
ちなみに、注射療法によるメリットはピンポイントでアプローチできることで、単発型と呼ばれる部分的に症状が発現している軽度なケースには非常に有効です。
一方、頭部全体にまで広がっている症状の場合は、他の治療法を検討した方が良いとされています。
ステロイド注射療法の詳細記事です。効果や副作用の詳しい内容はこちらをご覧ください。
ステロイド塗り薬の効果
塗り薬によるステロイド治療(外用療法)は、複数のランダム化比較試験により円形脱毛症に有効である事が確認されています。
ちなみに、2012年にイギリスで作成されたガイドラインでは、軽度から中程度の症状に特に発毛効果を発揮すると記されています。
なお日本皮膚科学会では、国内における膨大な診療実績も加味したうえで、これら(軽度から中程度の円形脱毛症)に対しては(行うよう薦める)という意味の、推奨度Bという評価です。
ステロイド塗り薬(アンテベートローション)の詳細記事です。効果や副作用を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ステロイド注射とステロイド塗り薬どっちが効く?
日本皮膚科学会が作成した円形脱毛症診療ガイドラインでは、ステロイド注射とステロイド塗り薬のいずれもBという評価を下しています。
Bの評価は、行うよう薦めるという意味で、ガイドラインの中で紹介されていた30の治療法の中で最も高い評価です。
ちなみに、両者を比較すると若干ではありますが、注射療法の方を高く評価しています。
何故なら注射療法は症状が固定した、単発型及び多発型の成人症例の第一選択として行う治療であると位置づけられているからです。
ステロイドを使った治療法では注射のほうが効くと言うことですか?
円形脱毛症ガイドラインでは、わずかですがそのように記載されています。
ただし症状によっても違ってくる事がありますので、専門医に相談してから治療法を決めたほうがいいですよ。
ここからは円形脱毛症ガイドラインで、ステロイド療法と同様に推奨されている、局所免疫療法を紹介していきます。
局所免疫療法
円形脱毛症の治療は、ステロイドを用いた注射療法や外用療法以外にもいくつかの種類が考案されています。
局所免疫療法もその中の一つで、診療ガイドラインの中では多発型・全頭型・汎発型の症例に対しては、年齢を問わず第一選択肢として行うよう薦めると記されています。
つまり、進行した症状に対してはステロイド療法よりも有効性が高いという事です。
進行した円形脱毛症の症状の場合は、局所免疫療法の方が良いと言うことですか?
円形脱毛症の治療法は皮膚科で相談しましょう。
円形脱毛症は、全体の内の約60パーセントは自然に治癒するのですが、悪性の種類の場合は生涯治療が必要となるケースもあります。
しかも素人には、悪性の種類と問題のない症状を見分ける事が出来ないので、気が付いた時には症状が悪化していると言う事も起こり得ます。
このために、出来るだけ早めに皮膚科を受診して、治療法についてもしっかり相談するようににしましょう。
【ヘアメディカル】
公式サイト 頭髪クリニックだからこその135万人の治療実績(16年間)【ヘアメディカル】
円形脱毛症の専門外来がある髪の毛の総合病院です。
東京、名古屋、大阪、福岡にクリニックがあります。
今回ご紹介したステロイド療法や局所免疫療法にも対応しています。
公式サイトからメールで相談もできます。
※ヘアメディカルの詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
円形脱毛症の専門外来がある東京の病院【ヘアメディカルの特徴】
まとめ
今回は円形脱毛症の効果的な治療法、ステロイドを使った治療法について紹介しました。
円形脱毛症の治療法を決める際には専門医に相談して、費用や副作用などを確認してから決めましょう。