【円形脱毛症に効果のある治療法としてステロイド注射がありますが、実際どのくらい効果があるのでしょうか?】
ステロイド注射以外にはどんな方法が効果的なのか、しっかりと把握して自分にあった治療法で完全完治を目指しましょう。
こんにちは!一条隼人です。
円形脱毛症の治療法で、昔からステロイド注射による治療法はよく聞いていましたが、個人的に痛い注射が大嫌いなので、円形脱毛症になった時も避けていました。泣
今回は円形脱毛症ガイドラインを参考に、ステロイド注射の治療法についてご紹介していきます。
僕も痛い注射は嫌いですが、円形脱毛症に効果があるのであれば興味があります。
ぜひ教えてください。
(モン太さんは白髪と薄毛を気にしている50代のサルさんです。過去に1度円形脱毛症になっているので心配しています。)
もちろん良いですよ。一緒に勉強していきましょう。
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目次
ステロイド注射治療は効果があるのか?円形脱毛症ガイドラインを参考
円形脱毛症ガイドラインによると、ステロイドの局所注射治療は効果的であるとされており、B判定(推奨できるレベル)の評価になっています。
これは円形脱毛症ガイドラインで紹介されている、円形脱毛症の治療の中で最も高い評価です。
円形脱毛症については自己免疫疾患が最もポピュラーな原因と考えられており、何らかの原因で免疫に不具合が生じ、本来は攻撃する対象ではない毛根、毛乳頭を攻撃してしまうため、毛根が成長を止めてしまい髪の毛が抜けたり新たに生えなくなってしまう、とされています。
ステロイドには炎症や免疫機能を抑える働きがありますので、毛根への攻撃を防ぐためにはステロイド注射が非常に効果的で、患部に直接ステロイド剤を注射することで、毛根への攻撃を抑制することができます。
ステロイド注射が効果的だと評価されている理由は、円形脱毛症の原因に関係しているようですね。
ここからは円形脱脱毛症の原因について勉強していきましょう。
ハーイ
円形脱毛症の原因
自己免疫疾患
円形脱毛の原因で代表的な自己免疫疾患とは、体内に入り込んだ異物を攻撃し排除する役割を持つ免疫系が、自分自身の体内の正常な細胞や組織をも異物と認識し、攻撃してしまったことで起こった症状や組織の障害のことを指します。
はっきりとした原因は断定されておらず、遺伝子群と環境が複合的に作用した結果起こる、多因子遺伝性疾患と考えられています。
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ストレス
円形脱毛症にとってストレスも原因の一つです。
人間は精神的に強いストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、交感神経が常に活発に働いている状態となります。
その結果筋肉の緊張状態が続き血行が悪くなってしまうため、毛根に十分な栄養が届かずに髪の毛が抜けてしまったり、成長を抑制してしまうと考えられています。
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アトピー性皮膚炎
円形脱毛症の原因として、アトピー性皮膚炎が関係していると考えられています。
円形脱毛症の人のうち、約4割がアトピーを持っているという報告もあり、アトピー素因が円形脱毛症に何らかの形で影響をしていると考えられていますが、はっきりとした検証結果はまだ得られていません。
また、本人ではなくアトピー性皮膚炎の家族がいる場合にも、何らかの影響があると考えられています。
ホルモンバランスの乱れ
円形脱毛はホルモンバランスの乱れも原因の一つだと考えられています。
特に女性は妊娠中に活発に分泌されていたホルモンが、産後には一気に減ってしまいます。
このホルモンの分泌量の乱れが原因で脱毛が起こります。
髪の毛の抜ける量や期間に個人差はありますが、半年くらいで治まる人もいれば1年以上脱毛が続く人もいます。
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円形脱毛症の原因はいろいろあるんですね。
さっきは、ステロイド注射による治療法が効果的だと言われましたが、その他にも効果的な治療はあるんですか?
実はどうしても痛い注射が怖いので、注射じゃない治療法を探しているんです。
わかります。わかります。
僕もほんとに痛い注射が苦手なんです。
ここからは円形脱毛症に効果があると言われている治療法について紹介していきますね。
注射じゃない治療法もありますので、モン太さんも参考にしてください。
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その他の治療法
局所免疫療法
ステロイド注射以外の治療法としては局所免疫療法が有効です。
局所免疫療法とは、皮膚に対してあえて炎症を引き起こす物質を塗ることで自己免疫力を高める方法で、皮膚科で受けることの出来る方法です。
ただし円形脱毛症の患者の全員が出来る方法ではなく、場合によってはこの方法が合わないと診断される人もいらっしゃいます。
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ステロイド外用療法
ステロイド注射以外の治療法としてステロイド外用療法があります。
脱毛している箇所にステロイドを塗り込む方法ですが、対象となるのは通常型円形脱毛の単発型もしくは多発型で脱毛箇所の融合が見られないタイプの患者で、比較的軽度の症状の方です。
長期間の使用による副作用のリスクもありますので、医師の指示を守って使用することが重要です。
同じステロイドによる治療法でも塗り薬もあるんですね。
僕は痛い注射が嫌いなのでこっちの方がいいです。
治療法に関しては医師の判断を仰いだほうがいいですよ。自分で決めないほうがいいと思います。
そうですね。
ステロイド内服療法
ステロイド内服療法も一つの方法として有効ですが対象となるのは、円形脱毛症を発症してから6か月以内で、脱毛部位が急速に拡大している人に限られており、子供は使用することができません。
ステロイドを内服する場合には、再発しやすいという弱点や副作用のリスクがありますので、医師の指示をしっかりと守る必要があります。
飲み薬のステロイドには副作用の心配があると聞いたことがあります。
飲み続けると副作用が出やすいみたいですね。
そのようですね。こちらも医師の指示に従ってくださいね。
静脈注射によるステロイドパルス療法
静脈注射によるステロイドパルス療法は、メルチプレドニゾロンという副腎皮質ステロイドを、内服する場合の10~20倍の量を3日間点滴投与する方法です。
難易度の高い方法であるため円形脱毛症が重症化した場合に、最終的に行うケースが多い方法です。
副作用のリスクもあることから、治療前に医師からしっかりと説明を受けるようにしましょう。
抗ヒスタミン薬の内服療法
抗ヒスタミン薬の内服療法は、アトピー素因を持つ円形脱毛症患者にとって効果を発揮する方法です。
抗ヒスタミン薬を服用することでアレルギー症状や炎症を緩和し、脱毛を抑制する効果があります。
ただ、円形脱毛症患者の約4割がアトピー性皮膚炎を併発しているという報告がありますが、残りの6割の人には効果がありません。
セファランチン内服療法
セファランチン内服療法は通常型円形脱毛症の単発型、多発型の患者向けの方法です。
セファランチンには、心臓から離れた末梢血管の血流を良くする働きがあるため、服用すると頭皮の血行を改善すると考えられています。
頭皮の血行不良による抜け毛を防ぎ、髪の毛の正常な育成を促すことにより円形脱毛症が改善するとされています。
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グリチルリチン グリシン メチオニン配合錠の内服療法
グリチルリチン、グリシン、メチオニン配合錠の内服療法もまた、アレルギーに効果を発揮する薬として円形脱毛症患者に用いられることがあります。
グリチルリチン酸は甘草(かんぞう)から得られる成分で皮膚の炎症や湿疹・かぶれを改善する働きがあり、グリシンとメチオニンはアミノ酸の一種で髪の主成分であるケラチンの材料になります。
それらが配合された薬を服用する方法です。
カルプロニウム塩化物の外用療法
カルプロニウム塩化物は発毛促進剤に含まれる成分であり、外用薬として使用することで円形脱毛症の改善を目指します。
カルプロニウム塩化物は、頭皮の血管を拡張することで血流を改善し、毛根への血行を促し発毛効果を発揮します。
また、アセチルコリンエステラーゼ(分解酵素)による分解を受けにくいため、局所での作用が持続するというメリットがあります。
ミノキシジル外用療法
厚生労働省より正式に外用発毛医薬品として認可されいているミノキシジルは、患部に塗ることで血管を拡張させ血流を改善するための外用薬です。
血管に作用する薬なので心臓に関する既往歴のある方は使用できません。
また、海外では効果があると評判の薬ですが、日本ではあまり評価が高くありません。
日本人の体質にはあまり合わないのか、効果に個人差があるようです。
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冷却療法
円形脱毛症の治療法として冷却療法がありますが、マイナス196℃の液体窒素やドライアイスで患部に刺激を加え、発毛を促すという方法です。
極低温の刺激を与えることにより頭皮に軽い凍傷を負わせることになりますので、免疫機能を集中させて脱毛を改善するいう仕組みで、副作用等のリスクが少ないことがメリットとして挙げられます。
紫外線療法
自己免疫疾患を抑制し、円形脱毛症を完治するための最新療法として開発されたのが紫外線療法です。
紫外線を患部に照射する方法ですが、紫外線によって、発毛にとって重要な毛母細胞などを破壊する、免疫系細胞の活動を抑えることができます。
自己免疫疾患は円形脱毛症の最も多い原因と考えられていますので、それに対する方法として非常に注目されています。
直線偏光近赤外線照射療法
直線偏光近赤外線照射療法、別名スーパーライザー療法は、特殊な紫外線をレーザーのように体の奥にまで届くように照射する治療法です。
自律神経を刺激して全身の血行を良くする効果が認められており、アレルギー治療や自己免疫性疾患に対しても効果を発揮するために、円形脱毛症の治療として需要が増えている方法の一つです。
こんなにたくさん、円形脱毛症に効果のある治療法があるんですか?
びっくりしちゃいました!
円形脱毛症の治療法は日々進化していますので、専門の医師に確認の上、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
ステロイド注射治療は効果がないと言う噂もある?
僕が昔、皮膚科の先生に言われたリアル体験談です。
昔、円形脱毛症になった時、皮膚科に治療に行きました。
そしたら皮膚科の医師が、
【ステロイド注射治療はあまり効果が出ることがないので、この症状ならば、治療せずに様子を見た方が良いよ】
と言ってくださいました。
一応ステロイド注射は円形脱毛症の治療に使われるようですが、確実に治る治療法ではないので、その皮膚科の医師はあまりお勧めしていないみたいでした。
その他にも、注射による治療法は痛いだけであまり効かないと、美容室の先生も言っていました。
円形脱毛症は放っておけば6ヶ月以内に治るから、あまり考えずに放っておきなさいと言っておられました。
20年以上昔の話なので、現在では新しい治療も開発され、効果が出る確率も上がっていると思います。
ただし1つだけできてる単発型の円形脱毛症であれば、ほとんどの場合が時間とともに治ることが多いです。
これが僕が昔聞いた円形脱毛症の注射治療による噂です。
注射による円形脱毛症の治療法!ネットでの口コミも紹介しておきますね。
ステロイド注射治療の口コミ
脱毛している頭皮に注射するので、腕とかに注射するよりは痛いと思いますよ。でも、痛みを抑えるために塗る麻酔や痛みの少ない注射器などを併用してくれる病院もあるかもしれませんので、痛いのに不安を感じているようでしたら、聞いてみてはどうでしょう。
また注射したからといって、すぐに改善するものではありません。以前に円形脱毛症を経験しました。
皮膚科に通院していましたが、治るまで7ヶ月ほどかかりました。
引用 Yahoo!知恵袋
外用薬と内服薬については効果を実感できませんでした。
ステロイド局部注射、医師から勧められたのでやってみました。効果は、3週間くらいで毛が生えてきました。
でも、患部が陥没してしまいました。
引用 治療noto
頭に注射を打つと言う事がすごく怖かったけど(痛いとか)実際の痛みはほとんどなく、特に副作用もなく徐々に髪が生え始めました。
あれから2年経ちますが、副作用も再発も今のところありません。
引用 治療noto
効果が出ている人や効果がでない人、口コミもバラバラですね。
注射が痛くない人もいるみたいですね。
最初に麻酔を使って痛くない注射治療もあるみたいですよ
円形脱毛症の治療相談は円形脱毛症の専門外来がある病院がおすすめ
円形脱毛症の治療は、専門外来がある病院を受診し、専門医に相談の上方針を定めることをおすすめします。
円形脱毛症には様々な治療法がありますが、やみくもにトライしても時間とお金を無駄にしてしまいます。
どんな治療が自分に適しているか、副作用をはじめリスクはどの程度あるのかをしっかりと把握してからスタートしましょう。
専門医であればたくさんの患者を診ており、様々なケースに対応してくれますので、安心して相談できます。
【ヘアメディカル】
公式サイト 頭髪クリニックだからこその135万人の治療実績(16年間)【ヘアメディカル】
円形脱毛症外来のある髪の毛の総合クリニックです。
円形脱毛症ガイドラインでも推奨されている、ステロイド注射や局所免疫療法も行っています。
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まとめ
今回は円形脱毛症ガイドラインでも推奨されている治療法、ステロイド注射についての記事でした。
円形脱毛症の治療相談は専門の医師に相談して正しい治療を行いましょう。
以上、(円形脱毛症にステロイド注射治療は効果があるのか)でした。
※参考資料
阪大病院における円形脱毛症のステロイドパルス療法について
乾 重樹
大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学講座円形脱毛症のステロイドパルス療法の成績と適応
1999年8月より2006年6月にステロイドパルス療法を行った重症型円形脱毛症139例を解析した。改善度を治療後6ヶ月の時点で著効(脱毛面積の75%以上で硬毛発毛)、有効(同50%以上)、無効(同50%未満)とすると(注)、全体で著効率47.5%、有効率59.0%であった。発症から6ヶ月以上経過した症例では著効率15.8%、有効率31.6%であったが、6ヶ月以内の治療例では著効率59.4%、有効率69.3%で早期治療の重要性が示唆された。6ヶ月以内の治療例の著効率は、治療時の脱毛面積が50%未満では88.0%ときわめて有効であったのに対し、6ヶ月以上の経過例での著効率は15.4%で有意差が認められた。ガイドライン(案)では、発症から6ヶ月以内でかつ脱毛面積が25%以上の重症例で行ってもよいとされる。
(注)治療後6ヶ月の時点で脱毛面積の75%以上で硬毛発毛はその後の経過観察で大部分の症例でウィッグが必要ない略治状態に至ると考えてもよいと思います。患者満足度という評価法もあるが、今回は海外他施設でのステロイドパルス療法の効果の報告や他治療と科学的な比較を可能にするため、それらで従来よく使われている評価方法を用いました。