円形脱毛症は、患者のQOLに大きく影響を与えます。
治療に難渋するケースも多いため、エビデンスに乏しいネット情報などの治療法に走ってしまう患者もいます。
中には高額の治療法で全く効かない怪しい治療も有り、被害も報告されていますので注意が必要です。
最新の、日本皮膚科学会治療ガイドライン2017年度版では、どのような治療が推奨されているのでしょうか。
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こんにちは!一条隼人です。
僕も円形脱毛症の経験者です。これまでに再発を繰り返す多発型円形脱毛症を何回も経験しています。泣
このような経験を生かし、円形脱毛症の治療に利用されているお薬を調べてみました。
まずは日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインで、円形脱毛症には効果が無いと報告されている効かないお薬から紹介していきますね。
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目次
円形脱毛症に効かない薬
(1)シクロスポリンA
Tリンパ球抑制効果から治療薬として期待されてきましたが、中止による再燃や腎障害や高血圧などの有害事象の頻度が高いというのが現状です。
有用性は十分に実証されていないので、現時点では薄毛や脱毛治療にシクロスポリンは使わない方が良いです。
(2)分子標的薬
分子標的薬は多種多様で、実臨床で使用されてまだ日も浅いです。
症例数も限られているので、今の時点ではまだ評価できる段階には至っていません。
したがって、薄毛や円形脱毛症の治療に分子標的薬は使うべきではないというDの推奨度です。
(3)漢方薬
評価基準や再発の有無、併用療法との効果の比較、自然治癒を上回る効果があるのか等、基本的な疑問に対する回答がありません。
有用性が判然としないため、今の時点では薄毛や円形脱毛治療に漢方薬は使わない方が良い、というC2の推奨度となりました。
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(4)抗うつ薬 抗不安薬
円形脱毛症とストレスとの関連性は乏しく、安易にストレスと円形脱毛症との関与を唱えるべきではないとされています。
これらの薬の効果は実証されていません。
したがって、薄毛や円形脱毛症の治療に抗うつ薬や抗不安薬は使わない方が良いという結論です。
(5)プロスタグランジン
プロスタグランジン塗布による腱毛回復の報告は有るものの、頭皮と眉毛へのステロイド局所注射が併用されていたため、評価は定まっておらず、有効性を示すことが出来ていません。
よって、現時点では、プロスタグランジンによる治療は行わない方が良いです。
(6)ビタミンD
症例集積研究報告が1件あるが、重症度の低い小規模試験でプラセボ(偽薬)との比較もないので、十分なエビデンスがあると言えません。
十分な検証があるまでは、日常診療ではビタミンDによる治療は行わない方がよいです。
(7)レチノイド
効果があったという報告もあるもおの、自然軽快との比較ができていない報告しかないというのが現状です。
したがって、今後の臨床試験で十分に検証されるまでは、日常診療ではレチノイドによる治療は行わない方が良いとされています。
(8)タクロリムス
ステロイドの局所注射や外用の治療効果の方が、タクロリムスよりも優れているという結果が得られたので、現時点ではタウロリムス外用療法の、有用性を支持する結果は得られていません。
したがって、行わない方が良いです。
(9)アロマテラピー
円形脱毛症とストレスの関連性は科学的根拠に乏しく、安易にストレスとの関連性を唱えない方が良いとされています。
リラクゼーション効果を期待して、緩和ケアなどで近年はアロマテラピーが使われていますが、科学的な根拠は未だに不十分です。
ここからは日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインで円形脱毛症に効果があると推奨されているお薬を紹介していきます。
円形脱毛症に効くお薬
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(1)ステロイド
推奨度C1ということで、行ってもよい治療法です。
副作用の心配はあると思いますが、発症後6か月以内で急速に進行している脱毛巣が25~49%の成人症例で、使用期限を設けて副作用に注意しながら検討します。
炎症を抑えることで発毛が期待されます。
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(2)ヒスタミン
第一世代の抗ヒスタミン薬は眠気の副作用が強かったのですが、第二世代の抗ヒスタミン薬は眠気の副作用も少なく、使っても良いというC1の推奨度です。
アトピー要因のケースでは併用療法として一定の効果が認められています。
(3)セフェラチン
セフェラチンは保険適応があることや、日本の診療において膨大な実績があることから、安全性や副作用の面からも担保されています。
したがって、単発型や多発型でプレドニゾロンとの併用療法として、行っても良いといC1として推奨されています。
(4)グリチルリチン,グリシン,メチオニン配合薬
単発型や多発型の症例で併用療法の一つとして行っても良い、となっています。
これらの薬剤は保険適応となっていることや、日本ではこれらに対して過去の膨大な診療実績があり、安全性も確かです。
単発型や多発型では行っても良いというC1の推奨度です。
(5)カルプロニウム塩化物
カルプロニウム塩化物は全頭型や汎発型では、見た目が満足できるまでの回復結果は見られないが、単発型や多発型で併用療法の1つとして行っても良いとなっています。
保険適応があることや、日本では膨大な診療実績があり安全性も確かめられています。
(6)ミノキシジル
ミノキシジルは血管を拡張させて血流を促します。
海外における実績も考慮し、単発型や多発型の症例の併用療法の1つとして行っても良いとなっています。
但し、脱毛巣が広範囲となっている場合、25~49%のS2以上では効果がないと記載されています。
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ここからは円形脱毛症の種類について紹介していきます。
円形脱毛症の種類や症状によっても治療法が変わってきます。
こちらも参考にしてみてください。
円形脱毛症の種類
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(1)単発型
単発型は、比較的軽度の円形脱毛症と言えます。
円形や楕円形の脱毛が単発するケースです。
ちょうど10円玉や100円玉の大きさで脱毛するので、俗に10円ハゲなどと呼ばれています。
きちんと治療すれば治るケースが多いので、早めに治療を受けましょう。
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(2)多発型
![](https://ikumou-professionals.com/wp-content/uploads/2016/08/kghkhgkキャプチャ.png)
単発型の円形脱毛症が何か所もで出来ている状態です。
斑模様のようになってしまうので、患者のQOLが下がります。
半年から2年ほどで治ることが多いですが、一旦治っても繰り返すことも少なくありません。
根気強く治療することが大切です。
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(3)蛇行型
単発型の円形脱毛が頭皮の1部分だけで起きるのに対し、蛇行型脱毛症は広範囲にわたって脱毛します。
蛇が這うように額の生え際が帯状に蛇行して毛が抜けます。
複数の円形脱毛が繋がって広がることで蛇行型となります。
治癒までに長い期間がかかります。
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(4)全頭型
部分的に起こっていた脱毛や薄毛が、頭全体で起きます。
早めに治療を開始することが大切です。
治療は再燃と軽快を繰り返して長期間に及び、時には治療に難渋するケースも少なくありません。
容姿を気にして引きこもりがちになったりと、QOLが低下します。
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円形脱毛症の体験談
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僕が初めて円形脱毛症になったのは、20代前半の時です。
今から20年以上も前の事です。それから何度も繰り返しています。。泣
僕が円形脱毛症になった時は、仕事関係でプレッシャーを感じていて、すごく悩んでいた時です。
3ヶ月から6ヶ月程度自然放置して最初は完治しましたが。それからも強いストレスを感じたときには、ちょくちょく再発を繰り返しました。
当時は円形脱毛症の治療法も少なく、皮膚科に行っても注射をされるだけで、全く効果がないと言われていました。
最近、円形脱毛症になった時は、クリニック(ヘアメディカル)に相談して治療方法を相談することもしました。
結果的にはあまり症状がひどくないので、放っておいても治ると言うことで自然放置で完治しましたよ。
頭に2つ以上の円形脱毛症があるときは、治るまでの期間もかなり長かったです。
一つだけの円形脱毛症であれば、自然放置でも3ヶ月から6ヶ月で治ると思いますので、あまり気にしないほうがいいと思います。
最近ではストレスに加え、自己免疫が円形脱毛症の原因に関係しているといわれています。
※円形脱毛症の原因【自己免疫疾患】
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昔と比べて治療法も増えていると思いますので、円形脱毛症になった方は皮膚科などで気軽に相談してみたほうがいいと思います。
※参考【ヘアメディカル】
![](https://ikumou-professionals.com/wp-content/uploads/2017/03/-2017-10-16-12.15.48-e1508124072626.png)
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公式サイト 頭髪クリニックだからこその135万人の治療実績(16年間)【ヘアメディカル】
【ヘアメディカル】は円形脱毛症の専門外来を設けている髪の毛の総合病院です。
髪の毛の総合病院として日本では歴史が最も古く、信頼できる病院です。
円形脱毛症で悩んでいる方は気軽に相談してみて下さい。
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まとめ
今回は日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインで紹介されている、円形脱毛症治療に効かないお薬を取り上げて記事にしました。
円形脱毛症の治療には、高額の治療方法で全く効かない怪しい治療もあると言われています。
正しい情報を元に専門家に相談しましょう。
![](https://ikumou-professionals.com/wp-content/uploads/2017/07/一条隼人02-100x100.png)