円形脱毛症は決定的な治療法が確立されていないために、治療に悩むことも少なくありません。
ネットの情報も巷に溢れているので、どの治療が良いのか分からなくなることもあるでしょう。
中には全く効かない治療なのに、高額な治療法を提案して騙す輩もいるそうですよ。怖
気をつけてください。
そこで今回は、日本皮膚科学会が推奨している治療薬の副作用を紹介します。
こんにちは一条隼人です。僕も円形脱毛症の経験者です。
再発を繰り返す多発型円形脱毛症を何度も経験しています。泣
日本皮膚科学会治療ガイドライン2017年度版が推奨している治療法の詳しい効果は下の記事をご覧ください
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目次
円形脱毛症の治療に使われる薬の副作用について
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ステロイド治療
炎症を抑える作用が強いので、外用や局所注射は単発型から融合傾向のない多発型で「行うように勧める」というBランクの位置づけです。
内服は、やっても良いというC1ランクになっています。期間を限定して副作用をチェックしながら使います。
ステロイドの副作用
内服の場合、服用量が多ければ多いほど服用期間が長ければ長いほど副作用が出やすくなります。
悪玉コレステロールの上昇や血圧の上昇、顔が満月のように丸くなるムーンフェイス等があります。
特にムーンフェイスは、女性には悩みの種となりやすいです。
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ミノキシジル
ミノキシジル外用療法は、「やっても良い」というC1ランクです。
単発型や多発型の症例で併用療法の1つとして考えても良いでしょう。
海外では診療実績の多い成分です。
但し、脱毛巣が広範囲の場合は無効となっています。
ミノキシジルの副作用
元々は血管を広げて血圧を下げる薬です。
そのため低血圧になってめまいがしたり脱力感を感じたり、ひどい場合は失神することもあります。
心臓疾患がある人や低血圧の人は使えないケースもあります。
しかし、外用の場合は内服ほど副作用は強くないでしょう。
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局所免疫療法
局所免疫療法は、円形脱毛症や薄毛の治療として「行なうように勧める」というBランクになっています。
年齢を問わず、脱毛巣が25%以上の多発型や全頭型や汎発型の第一選択です。
但し、甲状腺疾患を伴うケースや汎発型では反応が乏しいです。
局所免疫療法の副作用
局所免疫療法はかぶれ療法とも言われています。
意図的にかぶれを作るので頭皮がかぶれます。
そのため、かゆみの副作用が出ます。
アトピー性皮膚炎がある場合は悪化してしまうので、このことも予め心得ておきましょう。
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塩化カルプロニウム
塩化カルプロニウムは、単発型や多発型の円形脱毛症の症例に併用療法の1つとしてやっても良いという位置づけです。
全頭型や汎発型では残念ながら、外見上の変化が満足できるまでには回復する結果は見い出せていない、となっています。
塩化カルプロニウムの副作用
元々は胃液の分泌を高めるタイプの胃腸薬なので、基本的には副作用は少ないです。
頭皮の血流を良くして髪に栄養を行き渡らせます。
気を付けるべき副作用はアレルギーです。皮膚のかぶれやかゆみが出たら、医師に連絡しましょう。
抗ヒスタミン剤
単発型や多発型のケースで併用療法の1つとして行ってもよい、とされています。
第二世代の抗ヒスタミン剤の内服は、ある程度のエビデンスがあります。
ただし、現時点ではアトピー性疾患でしか保険適応になっておらず、円形脱毛症は保険適応外です。
抗ヒスタミン剤の副作用
一昔前の抗ヒスタミン剤は、眠気や口の渇きと言った副作用が強かったのですが、第二世代と呼ばれる最近にできた抗ヒスタミン剤は、これらの副作用も軽減されています。
眠気や口渇がある場合は、種類を変更してもらうと良いでしょう。
セフェラチン
セファランチンも、単発型や多発型の症例で併用療法の1つとして行ってもよい、となっている治療法です。
保険適応薬であることや今までに膨大な使用実績もあり、安全性も今までの経験で確かめられています。
また、脱毛範囲の縮小も科学的根拠を得られています。
セフェラチンの副作用
重篤な副作用が出ることは、まずないと思われます。
稀に食欲が低下したり胃の不快感や発疹や痒み、吐き気や下痢などが出ることがあります。
異変を感じた場合は、医師に連絡してください。
アレルギー体質の人は必ず担当医にその旨を伝えるようにしましょう。
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グリチルリチン,グリシン,メチオニン配合薬
単発型や多発型の症例で併用療法の1つとして行ってもよい、となっています。
保険適応となっていることや日本では膨大な使用実績があることから、安全性の面でも確認ができていると言って良いでしょう。
単独では効果が期待できないようです。
グリチルリチン,グリシン,メチオニン配合薬の副作用
頻度は多くはないですが、血圧が上昇したり腹痛の副作用報告があります。
また、非需要に稀ですが、もしもむくみや尿量の減少があった場合や脱力感や筋肉痛や四肢のけいれん・麻痺などを来した場合は、すぐに使用を中止して医師の診察を受けてください。
円形脱毛症の種類
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ここまで紹介してきた治療法やお薬の中には、円形脱毛症の種類や症状によって効果のあるもの、効果のないものがあります。
ここで簡単に、円形脱毛症の種類も紹介しておきますね。
単発型
単発型とは、頭皮に1つだけ円形脱毛症がある症状のことをいいます。
円形脱毛症の種類の中では最も症状が軽く、症状が悪化しなければ、3ヶ月から6ヶ月でほぼ完治すると言われています。
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多発型
多発中とは頭皮に2つ以上の円形脱毛症がある症状のことです。
2つの円形脱毛症がつながり、大きな円形脱毛症になる場合もあります。
単発型と比べて完治にも時間のかかる、少し危険性の高い円形脱毛症の症状です。
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蛇行型
蛇行方とは円形ではなく、広範囲にわたって毛髪が抜け落ちる症状のことです。
多発型円形脱毛症がつながり、広い面積に円形脱毛症ができることを蛇行方といいます。
完治には期間のかかる場合が多いです。
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全身型
全身型円形脱毛症は、頭皮だけではなく眉毛やまつげなど、体の全ての体毛が抜け落ちる症状です。
円形脱毛症の種類の中では最も重く、治療にも長い期間を要します。
カツラ等を利用して心のケアも必要になる症状です。
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ここからは日本皮膚科学会治療ガイドライン2017年度版で、やってはいけないと言われている円形脱毛症に効かない治療法を紹介しています。
やってはいけない円形脱毛症に効かない治療法
(1)シクロスポリンA
シクロスポリンAによる薄毛や円形脱毛症の治療は、やらない方がよいとなっています。
有効性が現時点では十分に実証されているとは言えないからです。
また、中止した際に再燃や腎機能障害や高血圧などの頻度も高いです。
(2)分子標的薬
分子標的薬の全身投与はやらない方がよいとなっています。
分子標的薬は多種多様で、臨床で使用されてからまだ日も浅く、症例も限られているのが現時点での状況です。
有効性について評価ができる段階にはまだなっていません。
(3)漢方薬
漢方薬も行わない方が良い治療法に位置づけられています。
再発の有無や併用療法との効果の比較や、自然治癒率を上回る効果があるのか等、患者が知りたい疑問への回答がないのです。
したがって、漢方薬の有効性は現時点では実証されていません。
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(4)抗うつ薬 抗不安薬
昔はストレスと円形脱毛症は関連性があると考えられていましたが、現在は科学的根拠はないとされています。
脱毛範囲が縮小するという根拠も弱いです。
よって、抗うつ薬や抗不安薬による治療は行わない方がよいとなっています。
(5)プロスタグランジン
プロスタグランジンによる薄毛や円形脱毛症の治療も、行わない方がよいとなっています。
膖毛が回復したというデータはあるものの、ステロイド局所注射が併用されており、現時点では評価が定まっていないので、治療法として確立されていません。
(6)ビタミンD
ビタミンDにる治療法は、行わない方が良いとなっています。
軽症から中東省の円形脱毛症に外用した症例集積研究の報告が1例だけありますが、重症度の低い小規模な試験で、プラセボ(偽薬)との比較もないので、十分なエビデンスは得られていません。
(7)レチノイド
レチノイドも行わない方が良い治療法です。
外用して効果があったという報告は有るのですが、自然軽快との比較ができませんでした。
よって、今後の臨床試験で十分に検証がされるまでは、日常診療で行わない方がよい治療法と言えます。
(8)タクロリムス
タクロリムスも行わない方が良いという位置づけの治療法です。
ステロイドの局所注射や外用の方が、治療効果が優れています。
有用性が完全に否定された訳ではありませんが、現時点ではタクロリムス外用の有用性を支持する結果は得られていません。
(9)アロマテラピー
円形脱毛症や薄毛とストレスとの関連性は科学的根拠が乏しいとされています。
アロマテラピーの効果に対する科学的な根拠も、現時点では不十分です。
施術方法や使用する精油の種類などの詳細も検討されておらず、有用性が十分とは実証されていません。
(10)催眠療法
抗うつや怒りの感情は明らかに改善が示されていますが、発毛に関しては効果が示されませんでした。
英国のガイドラインでは患者のQOLの向上に役立つとされています。
しかし日本の現時点では、円形脱毛症の治療法としては行わない方が良いでしょう。
(11)心理療法
ストレスが難治化を引き起こしている可能性は考えられますが、その点に関してはまだ詳細がはっきりしていません。
むやみにストレスとの関連性を唱えるべきではない、とも言われています。
発毛の効果を記載した報告もないので、治療法とは言えないでしょう。
(12)星状神経節ブロック療法
脱毛範囲の縮小を示唆する弱い根拠は見出されています。
しかし施術にはリスクを伴い、保険適応外です。
リスクを上回るだけの有用性があるかを考えると根拠に乏しいため、臨床試験で十分に検証されるまでは行わない方がよいとなっています。
(13)Platelet rich plasma 療法
ステロイド局所注射で抵抗を示した蛇行型で有効だった、という報告もあります。
しかし、症例数がまだ少ないです。
また再生医療の安全性の確保に関する法律の問題や保険適応外であることから、現時点では時期早尚で行わない方がよいとなっています。
円形脱毛症は専門の医師に相談しましょう
円形脱毛症の治療は専門の医師に相談する事をおすすめしています。
市販薬には円形脱毛症に効く薬はありませんので、自分でケアすることができません。
専門の医師であれば症状に合った最新の治療法を提案していただきますので、改善への道も早くなると思います。
円形脱毛症の専門外来がある【ヘアメディカル】
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【ヘアメディカル】には、円形脱毛症の専門外来があります。
円形脱毛症に特化していますので、最新の治療法を提案していただけますよ。
円形脱毛症でお悩みの方は気軽にご相談ください。
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まとめ
今回は円形脱毛症に効くお薬の効果と副作用についてご紹介しました。
円形脱毛症の治療には、おすすめできない効かない治療法もたくさんあると言われています。
最新の情報をもとに正しい治療を行いましょう。