ストレス社会と言われる現代。ストレスを溜めたまま生活をしていると、身体にも大きく影響が及びます。
今回、解説する円形脱毛症もその1つです。
円形脱毛症は、ほとんど自覚症状はなく、何の前触れもないまま突然できます。
円形脱毛症は他人事ではなく、いつ自分の身に起こってもおかしくないものとして認識しておく必要があり、もし突然なっても慌てずにまずは病院に行くことが大事です。
今回は円形脱毛症について詳しく解説していきます。
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円形脱毛症とは?
円形脱毛症とは頭に円形の脱毛斑ができてしまう病気のことを言います。
しかし、必ずしも円形で脱毛していくわけではありません。
脱毛する箇所や数も1ヶ所と限られているわけではないので、複数できる場合もあります。
円形脱毛症には症状の軽いものから重いものまであり、症状の重くなればなるほど、治るまでの期間も長くなってきます。
個人差がありますが、症状としては下記のケースに分かれています。
①単発型
10円玉サイズ位に丸く髪が抜け落ちてしまう、最も多くみられるタイプです。
円形脱毛症と聞いたら「10円ハゲ」を想像する人が多くいると思いますが、それがこの単発型にあたります。
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②蛇行型
後頭部や側頭部の生え際が帯状に脱毛していくタイプです。
その抜け毛の跡が蛇の通った道のように見えることから蛇行性という名前が付けられました。
これは、複数の円形脱毛が繋がることによって起こります。
蛇行型脱毛症は、治癒するまでに時間がかかる上に、脱毛が進行していくこともあるため、早期の対策が必要です。
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③多発型
円形の脱毛が複数できる脱毛症です。
髪の毛が生え始めても別の部位に新たな脱毛が起こることもあり、治療を続けて完治するまでに半年~2年ほどかかります。
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④全頭型
多発型の円形脱毛症が進行していき頭全域に渡って髪が抜けてしまうタイプです。
症状が改善してきていても、治療を中止すると再び脱毛が起きたりするなど、治りにくいケースが多く、治療が長期間に渡ることも珍しくありません。
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円形脱毛症の原因とは?
円形脱毛症の原因は、様々な説があります。近年では、自己免疫疾患説が主流となっています。
私たちの身体は、普段多くの細菌やウイルスにさらされています。こ
れらの外敵から身を守るために働いているのが「自己免疫機能」です。
しかし、様々な原因により、自己免疫機能に誤作動が起こることがあります。
本来は異物を認識して排除する役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対しても過剰に反応し、攻撃してしまうのです。
免疫機能の誤作動によって引き起こされた病気を総称して自己免疫疾患といいます。
円形脱毛症は、Tリンパ球が毛根を異物と間違えて攻撃してしまうために発症すると考えられており、その激しい攻撃により毛根が傷んで、元気な髪の毛でさえ突然抜け落ちてしまうのです。
しかしなぜその様な異常が生じてしまうのかは、現代の研究ではまだ明らかになっていません。
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何科に行けばいいのか?
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円形脱毛症になった場合、病院の何科に行けば良いのでしょうか?
答えは「皮膚科」です。なぜなら、頭皮も皮膚の一部だからです。
また、医療機関によっては、「脱毛症専門外来」や「毛髪外来」など、脱毛や髪の毛に関する病気の治療を専門とした医師が診療を行っている専門外来を開設している場合もあります。
※円形脱毛症の治療を相談できる病院
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円形脱毛症の治療ができる東京都内の病院
円形脱毛症治療の無料相談ができる有名病院
女性の円形脱毛症を治療できる病院
治療方法について
円形脱毛症の治療は様々な方法があります。
ここでは、その治療方法について一部紹介します。
①ステロイド外用薬
ステロイド剤とは、私たちの体で作られる副腎皮質ステロイドホルモンを人工的に、合成したものです。
かゆみや炎症を抑える薬として、アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の治療の際に、もっともよく使われています。
円形脱毛症の原因には先ほど述べた自己免疫疾患も含まれているので、免疫機能を抑えるステロイドは有効です。
さらに頭皮に炎症が起きると血流が悪くなって髪の毛に必要な栄養が届けられなくなることも、円形脱毛症の原因として考えられています。
つまりステロイドは円形脱毛症の原因を複数解決できる薬というわけです。
この治療法が主流になっている何よりの理由で、きちんと使用すれば効果的で安全性も高い治療法です。
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②内服薬(飲み薬)
円形脱毛症が発症してからの期間や、症状の進行速度、症状の範囲に応じて内服薬が使われる場合があります。
内服薬(飲み薬)にはステロイド、グリチルリチン、セファランチン、抗アレルギー薬などが使われます。
グリチルリチンとセファランチンはアレルギー反応を抑えるのに使用されますが、抗アレルギー薬はアトピー症状のある方に処方される場合があります。
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③凍結療法
液体窒素やドライアイスを当て、その刺激で発毛を促進させる治療法です。
多少の痛みを伴う場合があり、ときに治療後に水泡を生じたりすることがあります。
④局所免疫療法
SADBE(サドベ)療法とも言われます。
塗り薬を使用して意図的に「かぶれ」箇所を人工的に別に作り、現在毛包を攻撃しているTリンパ球の働きを抑え、発毛を促すかぶれやじんましんが出る場合があります。
重症の脱毛症や他の治療が効かない場合に行われることが多いです。
保険診療ではないため治療できる病院が限られており、また、こまめな通院(2週間に1回程度)が必要になります。
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⑤ステロイドパルス療法
通常のステロイド治療薬を飲む場合に比べて、10~20倍のステロイドを1回で点滴します。
この点滴は3日間連続して行い、それを1クールとカウントします。
期間を置いて、さらに1~3クール行うのがステロイドパルス治療法です。
この療法は主に発症後6か月以内で、急速進行中の脱毛が全頭にまで至っていない症例に有効であるとされています。
ちなみにパルスとは衝撃という意味で、劇的な回復を見込めるということから名付けられています。
また、この治療を行う場合は入院が必要で、医師の監視下での治療を受けることができます。
⑥紫外線療法
紫外線を利用した治療法で、紫外線によって毛根を攻撃するリンパ球の活動を抑制させて治療します。
まずステロイドとオクソラレンの2つの薬を内服し、その後2時間以内に全身に紫外線を照射するという大掛かりな治療法となっています。
そのため外来では利用できない治療法となっているのも特徴の1つです。
この紫外線の照射では自己免疫であるリンパ球の活動を抑制する効果を日焼けによって作りだしています。
治療法としては局所免疫療法と似ています。
ただ日焼けを全身に行うため、その際のかゆみやヒリヒリとした痛みが生じる場合があります。
オススメできない治療法
円形脱毛症の治療法の中には、効果が実証されていないあまりオススメできない治療法もあります。以下でご紹介する治療法は避けたほうが好ましいです。
・分子治療
がん患者に使われている治療法です。
円形脱毛症にも効果があると言われていますが、科学的な根拠が充分ではありませんので、避けた方が良い治療法です。
・鍼灸
鍼灸で円形脱毛症が治ったと言う報告はありますが、科学的な根拠がないので避けた方が良い治療法です。
・漢方薬治療
漢方薬の中にはストレスを抑制する効果のあるお薬があり、円形脱毛症の改善に効果があると言われていますが、科学的な根拠が薄いため避けたほうがいい治療法です。
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・シクロスポリンA
シクロスポリンAは免疫力を抑えて円形脱毛症を改善するお薬ですが、副作用がある為あまりオススメできません。
・精神安定剤
円形脱毛症治療に精神安定剤を用いることもありますが、こちらも科学的根拠が薄いので避けた方が良い治療法です。
・麻酔薬治療
麻酔薬を注射して自律神経を正常化させる治療法ですが、円形脱毛症にはあまり効果がありませんので、避けた方が良いです。
・睡眠治療
自律神経を安定させて円形脱毛症を改善させる睡眠療法ですが、十分な効果が実証されていません。
こちらも避けた方が良い治療法です。
まとめ
今回は円形脱毛症の原因から治療方法まで紹介しました。
もし、円形脱毛症になってしまったら「恥ずかしくて病院に行きたくない」「人に知られたくない」という気持ちが出てくるかもしれません。
しかし、病院に行くことで早く治せる確率が高いので、もしなってしまった場合はすぐに医師に相談するようにしましょう。
また、治療方法を決めるときは、副作用が起こる確率やどのようなことが起こるのかといったことについて、自分が納得するまで医師から説明を聞きましょう。
そして、治療を行う中で改善の兆しが無い場合には別の治療法を、必ず医師の方と相談しながら探してみてください。
きっとあなたにピッタリの治療法が見つかるでしょう。
※ヘアメディカル
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頭髪治療の高い実績を持つ皮膚科の専門医が、円形脱毛症専門の診察を行っています。
保険診療内の治療なので治療費も高額になる事はありません。
診察だけでも受付をしていますので、診察をしてから治療を決めることも可能です。
円形脱毛症を発見した際にはそのままにしないで、早めの診察を心がけましょう。